抄録
RA炎症性サイトカインネットワークを解明する上で,これまでの研究により,とりわけIL-6が重要なサイトカインである事が実臨床下で見えてきた.
バイオナイーブ患者を対象に,IL-6シグナルを遮断するTocilizumab(TCZ)とTNF阻害薬であるInfliximab(IFX)を用いたKEIO 1st-Bio Cohortでは,サイトカインや血清バイオマーカー変化が検討された.IFX群でIL-6濃度が低下したがTCZ群はIL-6濃度が上昇,またTNFはTCZ群で変化は見られなかった.骨形成促進因子のOsteocalcinは,TCZ群のみ有意に上昇した.更に,Abatacept(ABT)をアクティブコンロトールに末梢血単核球のT cellサブセット変動を評価した所,ABTはTreg/CD4やActivation Treg/Tregなど,Tcell関連サブセットが低下した一方,TCZは上昇していた.興味深い事に,Treg変動と病勢変動は負の相関を示した(rho = −0.4, p = 0.011).
このようなTranslational Researchより,TNFとIL-6の両者は炎症カスケードにおいて重要な位置を占める事に加え,新しい知見として,IL-6シグナル抑制は末梢血免疫細胞の調節を担いRAの様々な病態制御に影響している事が分かってきた.本セミナーで,詳細について議論していきたい.