日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P3-005  転写抑制因子ets variant 6の発現を抑制するmicroRNAの阻害は,関節リウマチ滑膜線維芽細胞からのinterleukin-6とmatrix metalloproteinase-3産生を抑制する
長谷川 久紀溝口 史高宮坂 信之上阪 等
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2014 年 37 巻 4 号 p. 343a

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抄録
【目的】関節リウマチ(RA)の滑膜線維芽細胞(RASF)は,様々な炎症性サイトカインやプロテアーゼを産生し,RAの病態の中心を担う.microRNA(miRNA)は約22塩基から成るnon-coding RNAであり,複数の標的遺伝子の発現を転写後レベルで抑制し,種々の細胞の機能を調節する.本研究ではRASFでのmiRNAを標的とした新規治療法の開発を目指し,RAの病態に深く関わるinterleukin-6(IL-6)とmatrix metalloproteinase-3(MMP-3)の発現を制御するmiRNAの同定を目的とした.【方法】RASF株に924種類のmiRNA阻害剤をそれぞれトランスフェクションした後,TNF-α存在下で培養し,上清中のIL-6,MMP-3濃度をELISAで測定した.miRNAの標的遺伝子はseed sequenceに基づき推定し,その遺伝子の蛋白発現をWestern blottingで確認した.【結果】IL-6とMMP-3の両者の産生を抑制するmiRNA阻害剤が複数認められた.これらが阻害するmiRNAのうちmiR-103,miR-129-5p,miR-135a,miR-193bは,NIH 3T3細胞でMMP-3の転写抑制因子として報告されているets variant 6(ETV6)に対しseed sequenceを持ち,実際に各々のmiRNAを阻害することでRASFにおけるETV6発現は亢進した.【考察】RASFでは,我々が同定した複数のmiRNAsによりETV6の発現レベルが抑制される結果,IL-6,MMP-3の転写抑制が弱まり,両者の産生が亢進することが示唆された.RASFにおけるmiRNAを標的とした治療は新たな作用機序によるRA治療戦略となると考える.
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© 2014 日本臨床免疫学会
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