抄録
CX3CL1は血管内皮細胞や上皮細胞に発現し,CX3CR1を発現するリンパ球や単球,好中球などの組織浸潤に重要な役割を果たす.CX3CL1とCX3CR1の相互作用は,関節リウマチや血管炎,アトピー性皮膚炎などの病態に寄与すると報告されている.乾癬は全身の皮膚炎を特徴とし,Th17が病態の主体と考えられている.本研究ではCX3CR1ノックアウトマウスを用い,マウス乾癬モデルであるイミキモド皮膚炎におけるCX3CL1/CX3CR1の役割を検討した.CX3CR1ノックアウトマウスでは,野生型マウスと比較してイミキモドで誘発された皮膚炎は減弱し,皮膚におけるIL-12/IL-23p40,IL-23p19,IL-17A,IL-22,TNFαなどのサイトカイン発現も低下していた.CX3CR1ノックアウトマウスの腹腔マクロロファージは,in vitroでIL-β,IL-6,TNFαの産生が野生型マウス由来のマクロファージより減少していた.またCX3CR1ノックアウトマウスの皮膚,腹腔のマクロファージはM2マーカーを発現している他,CCR2を発現していた.CX3CL1刺激自体は,野生型マウスのマクロファージからのIL-1β,IL-6,TNFαの産生を抑制した.以上よりCX3CR1の欠損は,浸潤マクフロファージの性質を変えることで,イミキモド皮膚炎を減弱させていると考えられた.乾癬の病態において,マクロファージの重要性を認識させる結果であり,新たな治療のターゲットになると考えられた.