日本臨床免疫学会会誌
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総説
関節リウマチの治療と妊娠の両立
舟久保 ゆう
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2015 年 38 巻 1 号 p. 45-56

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抄録
  関節リウマチ(RA)は妊娠可能年齢の女性に好発する.日本では女性の出産年齢が高齢化しつつあり,RA発症後に妊娠を計画する女性が増えると予想される.RAの妊娠については,RAが妊孕性および妊娠経過に及ぼす影響,妊娠がRAの病勢に与える影響,妊娠・授乳期の薬物治療などが検討されている.RAの疾患活動性が高いと妊孕性は低下することが示されたため,低疾患活動性~寛解を達成・維持してから妊娠計画をたてるのが望ましい.RAの標準治療薬となっているメトトレキサートは催奇形性作用があるため,妊娠計画の少なくとも3か月前から中止して妊娠および授乳中の使用を避けなければならない.最近ではTNF阻害薬治療中の妊娠に関するデータが蓄積されつつあるが,流産,先天異常の発生率増加は示されていない.胎内でTNF阻害薬に曝露した児の長期安全性はまだ明らかになっていないが,妊娠が判明するまでは使用可能と考えられている.また,母乳への分泌も少なく,胎児毒性を認めない.従来の疾患修飾性抗リウマチ薬でコントロール不良だった挙児希望のRA女性でも,TNF阻害薬は治療と妊娠の両立に有用な手段のひとつとなりうる.
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© 2015 日本臨床免疫学会
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