日本臨床免疫学会会誌
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第42回総会ポスター賞受賞記念論文
制御性B細胞の分化誘導因子と作用機序に関する検討
吉崎 歩TEDDER Thomas F.
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2015 年 38 巻 1 号 p. 57-64

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抄録
  近年,B細胞の働きは単に抗体を産生するのみではなく,抗原提示や炎症性サイトカインの産生,T細胞をはじめとする免疫細胞の活性化誘導など,炎症反応において中心的な役割を果たすことが知られるようになってきた.B細胞は炎症反応を誘導するだけでなく,活性化した炎症細胞に作用することで,免疫抑制作用をも発揮することが知られているが,著者らのグループでは,この中でも特にinterleukin(IL)-10を介して免疫抑制作用を発揮する集団として,CD1dhiCD5+という表面マーカーを発現するB細胞を同定し,主にIL-10を産生することからB10細胞と名付けた.B10細胞は種々の動物モデルにおいて,疾患改善効果を有しているため,新たな治療法の候補として研究と臨床の双方から注目を集めている.長らく,B10細胞の分化誘導因子は明らかでなかったが,著者らはIL-21がB10細胞を顕著に誘導することを明らかとした.またB10細胞の働きはMHC class IIを介した,抗原特異的なものであることを示した.さらに,著者らはCD40リガンドであるCD154とB lymphocyte stimulatorを共発現させたNIH-3T3細胞を作成し,これをフィーダー細胞として用いることでIL-4とIL-21の存在下に,生体内にわずかしか存在しないB10細胞をin vivoで400万倍に増殖させるシステムを樹立した.
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© 2015 日本臨床免疫学会
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