日本臨床免疫学会会誌
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スポンサードシンポジウム
スポンサードシンポジウム-1 関節リウマチの病態と治療反応性に関わる免疫応答のイミュノフェノタイピングによる解析
藤尾 圭志永渕 泰雄庄田 宏文住友 秀次山本 一彦
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2015 年 38 巻 4 号 p. 256

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抄録

  関節リウマチ(RA)においてHLA-DR遺伝子は最も重要な感受性遺伝子であり,そのリスクハプロタイプは予後不良のリスクファクターである.しかしこれまでのところ,HLA-DR遺伝子がどのような免疫細胞サブセットの機能に関与し,免疫応答に影響しているのかは分かっていない.我々はRAと健常人において,HLA-DR発現に注目しつつマルチカラー解析によるイムノフェノタイピングを行っている.CXCR4は関節への遊走に重要とされるケモカインレセプターだが,これまでにメモリーCD4陽性細胞中のCXCR4の陽性率が,DAS28, HAQと中等度以上の関連を示すことを見出した.またメモリーCD4陽性細胞中のCXCR4の陽性率と関連する抗原提示細胞上のパラメータを検討したところ,B細胞上のHLA-DR発現量が同定された.この結果はB細胞上のHLA-DRが,疾患活動性に関連するT細胞サブセットの活性化に寄与していることを示唆している.このような解析の中で,生物学的製剤投与前後で変化するパラメータや,治療反応性と相関するパラメータが同定されてきており,本講演では想定されるそれらの意義と可能性について議論を進めたい.

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© 2015 日本臨床免疫学会
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