日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P1-004 関節リウマチおよび関節炎モデルマウスにおけるSTEAP4(TIARP)スプライスバリアント発現
江辺 広志松本 功井上 明日香田中 勇希倉島 悠子川口 星美住田 孝之
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2015 年 38 巻 4 号 p. 310b

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抄録

  【目的】TIARPは,マクロファージからのTNF誘導性IL-6産生を抑制し関節炎を負に制御する分子と考えられている.そのTIARPのヒトホモログであるSTEAP4はRAの末梢血中CD14+単球に高発現し,関節炎をnegativeに制御している可能性が指摘されている.近年,TIARPスプライスバリアント(v-TIARP)がブタ肝細胞に発現することが報告されたが,その詳細な機能および関節炎における発現などは明らかでない.本研究では,関節リウマチ(RA)および関節炎モデルマウス(GPI誘導関節炎,GIA)におけるv-STEAP4/TIARPの発現を検討することを目的とした.【方法】1)RA患者由来PBMCを用いて,v-STEAP4発現を定量PCRにて検討した.2)GIAマウスの脾臓および関節におけるv-TIARP発現を定量PCRおよびウェスタンブロットを用いて検討した.【結果】1)RA患者由来のPBMC,特にCD14+単球において,exon3を欠損したv-STEAP4の発現を認めた.2)関節炎マウス由来の脾臓および関節において,exon3を欠損したv-TIARP発現を認めた.脾臓では関節炎発症早期(day7),関節では関節炎極期(day14)にv-TIARP発現のピークを認めた.【考察】v-STEAP4とv-TIARPの発現が,RA患者およびGIAマウスに認められたことから,STEAP4/TIARPバリアントが関節炎発症に共通に関わっている可能性が示唆された.現在,ヒト単球への遺伝子導入研究による機能解析を進めている.

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© 2015 日本臨床免疫学会
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