日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P5-002 miR-101aはMAPK phosphatase-1を標的とし,ミクログリア様細胞の分化と活性化を調節する
雑賀 玲子佐久間 啓能登 大介佐賀 亮子山口 修平山村 隆三宅 幸子
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2015 年 38 巻 4 号 p. 339b

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抄録

  【背景】ミクログリア(MG)は中枢神経系のマクロファージであり,中枢神経という環境下で特有の形態を獲得すると考えられる.我々は骨髄未分化細胞をアストロサイト上で培養すると,一部はCD11b,triggering receptor expressed on myeloid cells 2を発現するMG様細胞へ分化することを示した.MGの分化を促す因子の一つとして,中枢神経に豊富に存在するmicroRNA(miRNA)が関与する可能性があると考え,MG様細胞の分化に関わるmiRNAを検索した.【方法】混合グリア培養からMGを除去し,アストロサイト単独培養を作成した.その上に骨髄未分化細胞を播種し,miRNA,miRNA阻害剤を加えて7日間培養し解析した.【結果】約700種類のmiRNA阻害剤の作用を観察したところ,MG様細胞の分化を抑制する6種類のmiRNA阻害剤を同定した.それら6つに対応するmiRNAをそれぞれ加えて培養すると,miR-101aは阻害剤とは反対にMG様細胞の分化を促進した.in vivo,in vitroでMG,アストロサイトはmiR-101aを発現していた.miR-101aを加えた培養上清中のIL-6,IL-10はコントロールに比べて上昇していた.MAPK phosphatase-1(MKP-1)はmiR-101aの標的であるとの報告があり,miR-101a存在下で培養したMG細胞株MG6ではMKP-1の発現が低下していた.【結論】miR-101aはMKP-1を標的とし,骨髄未分化細胞のMG様細胞への分化と活性化を調節していると考えられた.

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© 2015 日本臨床免疫学会
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