日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P5-006 高脂肪食併用DSS腸炎におけるNKT細胞の検討
佐上 晋太郎上野 義隆田中 信治藤田 朗野村 元宣西山 宗希林 亮平岡 志郎兵庫 秀幸日山 亨伊藤 公訓北台 靖彦吉原 正治茶山 一彰
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2015 年 38 巻 4 号 p. 341b

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抄録

  【背景】我々は非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)が,クローン病(CD)患者の寛解と関連があることを報告している.近年,NAFLDはCDにも一般人口と同様に,増加してきており,臨床的に重要視されてきているが,NAFLDがCDに与える影響について報告はない.NAFLDにおいてinvariant Natural killer T(iNKT)細胞が炎症の増悪に,non-iNKT細胞が炎症抑制に関与することが知られているが,炎症性腸疾患に対する働きについては一定の見解が得られていない.【目的】脂肪肝がiNKT cellを介して腸炎に与える影響を検索するため,脂肪肝モデルマウスにおいてNKT細胞の変化に着目し,デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発大腸炎への影響を検討する.【方法】1)9-11週齢C57BL6/Jマウス(B6)およびJα18−/−マウス(KO)に,脂肪肝モデルマウス(高脂肪食(HFD)48日間)を作成し,DSS2.5%自由飲水(7日間)による脂肪肝合併の急性大腸炎モデルを作成し,体重,便性状,血便,histological scoreを算定した.2)脂肪肝モデルマウスの大腸粘膜内,肝臓内の単核球を単離し,細胞表面マーカー(CD3, NK1.1)の発現をFACSにて解析した.【結果】1)B6ではHFD負荷にて腸炎が増悪したが,KOでは逆にHFD負荷にて腸炎が改善した.2)NK1.1+CD3+細胞の割合がHFDで増加した.【結語】マウスDSS急性腸炎 において,高脂肪食負荷によりnon-iNKT細胞の割合が変化することにより,炎症が制御される可能性が示唆された.

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© 2015 日本臨床免疫学会
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