日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P5-007 活性化T細胞により誘導される血管内皮細胞非依存性エンドセリン産生機構の解析
品川 尚志岡崎 貴裕池田 真理遊道 和雄柳沢 正史木佐貫 泰山田 秀裕尾崎 承一
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2015 年 38 巻 4 号 p. 342a

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抄録
  【目的】エンドセリン(ET)は血管内皮細胞由来の血管収縮因子と考えられている.しかし,我々は新たに活性化T細胞が血管内皮細胞非依存性ET産生を誘導することを見いだしたため,その誘導機序の解析をおこなった.【方法】健常者(20名)より採取した末梢血単核球(PBMC)を固層化抗CD3抗体で活性化させ,24時間後の培養上清のET濃度をELISAで測定した.また,磁気ビーズで分離したT細胞および単球分画をTranswell systemで隔てた状況下でT細胞を活性化させ,ET産生への影響を測定した.また,この系に幾つかの阻害抗体を使用し,ET産生に与える影響も検討した.【結果】PBMC中のT細胞を活性化させた時のみETの産生を認めた.Transwell systemにおいてT細胞を活性化させると,T細胞のみではET産生は見られず,活性化T細胞は単球分画からET産生を誘導させることが判明した.ET産生誘導は,抗IFN-γ抗体および抗TNF-α抗体により阻害された.【考察】ヒトPBMCをもちいたin vitro studyにおいて,T細胞の活性化を起点とする炎症下では血管内皮細胞非依存性のET産生が誘導されることが明らかとなった.そのメカニズムとして,活性化T細胞から産生されたIFN-γとTNF-αが単球分画に作用し,単球分画からのET産生を強く誘導する可能性が示唆された.
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© 2015 日本臨床免疫学会
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