日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P6-003 強皮症におけるcobblestone appearanceの臨床的意義
福島 聡梶原 一亨宮下 梓神人 正寿尹 浩信
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2015 年 38 巻 4 号 p. 344a

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抄録

  cobblestone appearance(CSA)は,線維化過程における真皮でのリンパ管閉塞により起こるとされており,全身性強皮症(SSc)の皮膚症状として1975年にすでに記載されている.しかし,その頻度や臨床的意義については不明であった.我々はSSc185例を対象に,CSAの有無と他の臨床症状および検査所見との相関を検討した.
  CSAを有するものは3例で,すべて男性のdiffuse cutaneous SSc(dcSSc)症例であった.modified Rodnan's total skin score(m-TSS)に関して検討したところ,dcSSc42例において,CSAを有する症例のTSSの平均値は29.7(SD = 10.0),CSAを有さない症例は16.1(SD = 8.6)であり,CSAの存在とTSS高値は有意に相関した(P < 0.007).中等量副腎皮質ステロイド(PSL)投与を受けた20例(女性11例,男性9例)中,治療抵抗性を示した症例は4例で,うち3例がCSAを呈していた.すなわちCSAを有する症例では有意にPSLに対する治療抵抗性を示した(P < 0.0002).
  以上より,CSAの存在は,1.男性例に有意に高率にみられること,2.m-TSS高値と相関すること,3.PSL投与に対する抵抗性と相関することが示唆された.

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© 2015 日本臨床免疫学会
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