日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P7-036 全身性強皮症患者における血清Flt3 Ligand値と臨床相関の検討
岩田 洋平宮川 紅小寺 雅也沼田 茂樹矢上 晶子松永 佳世子
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2015 年 38 巻 4 号 p. 365b

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抄録

  【背景および目的】FMS-related tyrosine kinase 3 ligand(Flt3L)は樹状細胞の分化と生存に重要であることが知られている.さらに,樹状細胞とregulatory T細胞の間のhomeostatic feedback loopにも深く関与することが明らかとなり,自己免疫疾患において病態に関与する可能性が示唆されている.関節リウマチでは,血清および関節液中のFlt3L値が上昇していることが報告されており,病態との関連が推測されている.また,シェーグレン症候群においても活動性の唾液腺炎を有する患者血清中のFlt3Lの上昇が報告されている.しかしながら,全身性強皮症(SSc)における血清Flt3L値と,その臨床相関についてはこれまで不明であったため,今回検討を行った.【方法】SSc患者78名(dSSc 26名,lSSc 52名)において血清Flt3L値をELISA法で測定し健常人と比較した.また,SSc患者において血清Flt3L値と臨床症状や検査値との相関を検討した.【結果】血清Flt3L値は,SSc患者で健常人と比較して有意に上昇していた.病型では,lSScの方がdSScよりも高値であり,血清Flt3L値はmTSS,IgG,GFR値と負の相関を示した.【結論】SScにおいて,Flt3L値は軽症例で上昇しており,病態形成に何らかの関与をしている可能性があると考えられた.

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© 2015 日本臨床免疫学会
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