2015 年 38 巻 4 号 p. 367b
【目的】重症型MPO-AAVに対する初期治療RTXの有効性と安全性を検討した.【患者】EUVAS重症型の顕微鏡的多発血管炎(MPA)と多発血管炎性肉芽腫症(GPA).平均年齢:69.8歳,CRP:15.9±8.2mg/dL,Cr:> 5.66mg/dL,MPO-ANCA:124±93U/mL,BVAS 23.5±9.1.症例1:MPA,71歳男,臨床重症度2群RPGN,肺気腫/UIP.症例2:MPA,74歳男,4群RPGN,肺胞出血.症例3:MPA,67歳女,4群RPGN,器質化肺炎.症例4:GPA,67歳女,上強膜炎/副鼻腔炎/肺肉芽腫,2群RPGN.【患者】全例ステロイドパルス療法,3例血漿交換で治療開始し,初期治療にステロイド(48.7±11mg)とRTX(3例600mg,1例700mg)を併用した.症例1,2はRTX4回実施,症例3,4はCMV腸炎とCMV再活性のため2回で中止,症例1,2もRTX終了後CMV再活性化あった.再活性化にはGCV先制治療を実施.全例BVAS寛解に到達し,迅速なステロイド減量が可能であった.【結論】重症型AAVに対するRTXの優れた有効性が示された.しかし腸炎発症1例を含め,全例にCMV再活性が誘発され,GCV先制治療が必要となった.AAVでは疾患重症度に関連した易感染性を認め,重症AAVではより厳重な感染症管理が必須である.