2016 年 39 巻 4 号 p. 408b
【目的】全身性強皮症(SSc)は,皮膚硬化を主症状とし,血管病変を伴って,関節,内臓諸臓器を侵す疾患である.SScの疾患感受性遺伝子は全身性エリテマトーデス(SLE)と共通するものが多い.われわれはこれまでに,B細胞や単球に発現する抑制型受容体をコードするFCGR2B遺伝子のアミノ酸置換をコードする一塩基多型(SNP)rs1050501(Ile232Thr)とSLEとの関連と,リスクアリルであるThr232では,膜脂質ラフトへの局在の低下と抑制シグナル減弱が見られることを報告してきた.本研究ではこのSNPとSScとの関連解析を行った.【方法】rs1050501について,日本人SSc患者429例(びまん皮膚硬化型156例,限局皮膚硬化型112例,抗セントロメア抗体(ACA)陽性187例,抗トポイソメラーゼI抗体(ATA)陽性112例,間質性肺疾患(ILD)陽性187例,肺高血圧症陽性52例)と健常対照者686例のゲノムDNAを用いて,ダイレクトシークエンスを行い遺伝子型を決定して,関連解析を行った.【結果】SSc患者全体と健常対照者との比較では,Thr/Thr遺伝子型の関連傾向が検出された(P = 0.069,OR = 1.64).ILDを有する群と健常対照者の比較において,Thr/Thr遺伝子型の有意な関連が検出された(P = 0.027,OR = 2.05).dcSSc群,ATA陽性群において同様の傾向が検出されたが,有意差には到達しなかった.【結論】ILDを有するSSc群において,SLE同様,FCGR2B 232Thr/Thrが関連することが初めて検出された.