2016 年 39 巻 4 号 p. 412a
【背景】リンパ球減少下に末梢で生じる生理的なリンパ球増殖反応(LIP: Lymphopenia-induced proliferation)により全身性及び臓器特異的自己免疫が誘導され得ることが知られている.我々は,T細胞不全マウスにT細胞を移入するLIPモデルにおいて,腸内細菌存在下に濾胞ヘルパーT細胞(Tfh)が誘導され,抗核抗体等の自己抗体産生が促進されることを示してきた.近年,細菌に対する好中球の反応であるneutrophil extracellular traps(NETs)がSLE等の自己免疫疾患と関連していることが示唆されている.本系でNETsが病態形成に関与しているのか明らかにする.【方法】ヌードマウスに野生型マウス脾臓由来CD4+CD25-T細胞を移入する際,一部の群ではNETs阻害剤であるDNaseIやCl-amidineを移入2日前から腹腔内投与した.移入後5日目のレシピエントヌードマウス脾臓T細胞をflow cytometryを用いて解析した.また,抗核抗体産生や体重変化を追跡した.【結果】DNaseIやCl-amidine投与により,移入後5日目のPD-1陽性LIP-Tfh細胞出現が抑制された.DNaseI投与により4週での抗核抗体産生の抑制,8週までの体重減少の改善が観察された.【結論】LIPの系においては,Tfhの出現,自己抗体産生誘導,体重減少にNETsが関与している可能性が示唆された.