2016 年 39 巻 4 号 p. 418b
【目的】皮膚筋炎(DM)・多発性筋炎(PM)における末梢血リンパ球解析から,2群間の免疫学的特徴を明らかにする.【方法】当科で診療した治療前のDM患者70名(男性24名,女性46名,平均53±17歳)およびPM患者33名(男性10名,女性23名,平均59±17歳)を研究対象として,末梢血リンパ球数およびFACSを用いたT細胞の表現型解析を行い,DMとPMで比較した.また,抗CD3/CD28抗体で刺激したT細胞内の転写因子(STAT)とFoxP3の発現をmRNAレベルで解析し,健常コントロールと比較した.【結果】末梢血リンパ球数はPMに比してDMで有意に減少傾向にあり,CD4陽性細胞数,CD8陽性細胞数ともにDMで有意に低値であった(p < 0.005).細胞内転写因子の発現は,DMではCD4陽性細胞内のSTAT1,3が有意に抑制されていたが,PMではCD8陽性細胞内でSTAT3の発現が有意に亢進していた(p < 0.05).DMでは,PMおよび健常者に比して抗CD3/CD28抗体で刺激した後にCD4陽性細胞のリン酸化ZAP70(pZAP70)の発現が有意に抑制されていた.PMでは健常者に比して,CD8陽性細胞のpZAP70が有意に発現亢進していた(p < 0.05).【結論】T細胞受容体刺激を介した細胞内シグナル伝達は,DMにおけるCD4陽性細胞,PMにおけるCD8陽性細胞で明らかに異なった結果が示された.これら末梢血リンパ球の動態を誘導している原因の解明を通じて,DM・PMの病態解明に結びつける更なる研究の必要性が示唆された.