日本臨床免疫学会会誌
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総説
IgG4関連疾患に対する新たな治療戦略
山本 元久
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2016 年 39 巻 6 号 p. 485-490

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抄録

  IgG4関連疾患は,高IgG4血症と腫大した罹患臓器への著明なIgG4陽性形質細胞浸潤と線維化を呈する慢性炎症性疾患である.涙腺,唾液腺,膵,腎,肺,後腹膜腔など,多彩な臓器病変を呈し得る全身疾患である.現在,本疾患に対する寛解導入には,ステロイド薬が第一選択であるが,多くの症例ではステロイド維持療法が必要であり,経過中の再燃率も非常に高いことが判明している.近年,本疾患の再燃例に対して,リツキシマブやアバタセプトなどの生物学的製剤の有効性が報告されている.従来の経口免疫抑制薬に比較し,ステロイド減量効果も優れ,適応を選べば安全に使用できることも明らかになってきている.今後,わが国においても,IgG4関連疾患の再燃例に対するリツキシマブの有効性を評価するための医師主導自主臨床研究が予定されている.本稿では,当学が中心となり構築しているIgG4関連疾患症例登録システム(SMARTレジストリー)のデータ及び生物学的製剤を使用した自験例を紹介し,IgG4関連疾患に対する生物学的製剤の可能性と問題点について論じてみたいと思う.

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© 2016 日本臨床免疫学会
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