日本臨床免疫学会会誌
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総説
ANCA関連血管炎の病態メカニズム
石津 明洋
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2016 年 39 巻 6 号 p. 491-496

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抄録

  血清中の抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody: ANCA)陽性を特徴とする血管炎をANCA関連血管炎という.ANCAには疾患マーカーとしての意義があるのみならず,病原性がある.これまでANCAが血管炎を引き起こす機序として,ANCA-サイトカインシークエンス説が提唱されてきたが,近年の研究により,ANCAによる好中球の過剰な活性化には,サイトカインの異常産生に加え,好中球細胞外トラップ(neutrophil extracellular traps: NETs)の形成誘導も含まれることが明らかとなってきた.本総説では,ANCA関連血管炎の病態形成における好中球,好酸球,マクロファージ/樹状細胞,補体,B細胞/形質細胞,T細胞,サイトカイン/ケモカイン/細胞増殖因子の役割について概説する.

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© 2016 日本臨床免疫学会
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