日本臨床免疫学会会誌
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ワークショップ1 がん免疫のチェックポイント
WS1-3 免疫チェックポイント阻害薬による下垂体障害・下垂体炎
岩間 信太郎有馬 寛
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2017 年 40 巻 4 号 p. 264a

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抄録

  免疫チェックポイント阻害薬で認められる免疫関連有害事象(immune-related adverse events; irAEs)は全身の臓器で認められ,大腸炎,肝炎,間質性肺炎,皮膚炎,神経・筋障害,内分泌障害などが報告されている.死亡に至る重篤例もあることから適切な対応が重要である.irAEsとして障害される内分泌器官は下垂体,甲状腺,副腎皮質,膵,副甲状腺が挙げられ,それぞれ異なる対応を要する.下垂体障害の頻度は細胞傷害性T細胞抗原(cytotoxic T-lymphocyte-associated antigen; CTLA)-4に対する抗体であるイピリムマブで4-10%程度,programmed cell death(PD)-1に対する抗体で1%未満と報告されている.下垂体前葉機能障害および下垂体腫大を呈する症例は臨床的に下垂体炎と考えられる.内分泌学的には副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の障害が最も高頻度で認められ,診断が遅れると副腎クリーゼとなり得る重篤な副作用である.これまでに報告された抗PD-1抗体または抗CTLA-4抗体による下垂体障害・下垂体炎の症例を検討した結果,両者の臨床的特徴には相違点があることが解ってきた.本講演では,抗PD-1抗体または抗CTLA-4抗体による下垂体障害・下垂体炎について臨床的特徴をそれぞれ解説し,両者の相違点について考察する.

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© 2017 日本臨床免疫学会
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