日本臨床免疫学会会誌
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ワークショップ2 低分子化合物と生物学的製剤の長所と短所
WS2-1 関節リウマチ治療のエビデンスと経験から
川尻 真也川上 純
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2017 年 40 巻 4 号 p. 265a

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抄録

  関節リウマチ(RA)治療に1998年に海外,2003年に日本で生物学的製剤が導入されて以来,RAの予後は著明に改善した.現在,5つのTNF阻害薬,1つのIL-6阻害薬(トシリズマブ),1つのT細胞選択的共刺激調節薬(アバタセプト)が承認され,最近ではバイオシミラーも登場した.さらに,2013年には生物学的製剤と同等の有効性のある経口薬剤である低分子化合物JAK阻害薬が承認された.これまで各薬剤のエビデンスが確立されてきたが,RA治療は多様化する一方で有効性においてはいずれの薬剤においても同等であることが示された.そのエビデンスをもとに,2010年欧州リウマチ学会が発表した「RA治療リコメンデーション」ではFirst BioとしてTNF阻害薬が推奨されていたが,2013年改定ではトシリズマブ,アバタセプトが同等に推奨され,日本リウマチ学会の「RA診療ガイドライン2014」においても準拠されている.さらに,2106年改定ではJAK阻害薬が同等に推奨された.しかし,各製剤には特有の長所と短所を熟知することで,個々の患者において使い分ける必要があり,その点に関してエビデンスと経験をもとに考察する.

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© 2017 日本臨床免疫学会
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