日本臨床免疫学会会誌
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ランチョンセミナー
LS1-1 脊椎関節炎とIL-17:乾癬性関節炎を中心に
谷口 敦夫
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2017 年 40 巻 4 号 p. 285b

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抄録

  乾癬性関節炎は強直性脊椎,反応性関節炎,炎症性腸疾患に伴う関節炎などとともに脊椎関節炎に含まれる.これらの疾患は遺伝要因とspondyloarthritis featuresと称される臨床的特徴をある程度共有しており,このために脊椎関節炎として分類上のひとつのカテゴリーを形成している.脊椎関節炎ではリウマトイドタイプの関節炎と異なり,付着部炎が病変の中心と考えられている.モデル動物ではIL-23受容体陽性でIL-17,IL-22を分泌する特異なT細胞が付着部に存在することが報告されている.このことは,immune-mediated inflammationと付着部炎と臨床所見が1本の線でつながる可能性を示している.乾癬性関節炎でも皮膚病変とともに関節病変でもIL-17の関与が指摘されている.臨床的には抗IL-17A抗体の治験が行われ,末梢関節炎のみならず指趾炎や付着部炎にも有効であることが示された.このことは欧米の治療ガイドラインにも反映されるようになった.乾癬性関節炎の治療では個々の症例が末梢関節炎,指趾炎,付着部炎,爪病変,脊椎病変をどの程度有しているかを評価し,病変の種類により治療薬を選択するが,抗IL-17A抗体はこれらの全てにおいて治療薬として記載されている.乾癬性関節炎の治療にはすでにTNF阻害薬が導入されているが,抗IL-17A抗体が新たに加わることにより寛解を目指しやすくなるものと期待される.

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