抄録
本来,スポーツは健全な心身のもとに競技が行われるべきであるが,薬物等の誤用や濫用による「ドーピング」が社会問題にまで発展している.これは一部の作為的な行為によるものばかりではなく,医薬品やドーピングに関する知識不足による使用も多く含み,結果的に同様の制裁を受けるのが現状となっている.2007年にドーピング防止ガイドラインが文部科学省により策定され,薬剤師も積極的にドーピング防止活動に努めることが明記された.ドーピング撲滅のために薬剤師が介入できる事項としては,薬に関する教育や相談応需,医薬品情報の提供,禁止物質の治療目的使用に係る除外措置(TUE)に関する支援などがあげられる.薬剤師の職務である適正な薬物療法と安全性の担保は,スポーツにおいても求められるところである.そのためには,従来薬剤師が医薬品として理解している「薬物」に加え,ドーピング効果を期待する「薬物」としての情報が求められる.