高安動脈炎,巨細胞性動脈炎といった大型血管炎は,診断に使われる特異的な血清マーカーや,活動性を判定するための絶対的指標がなく,実臨床においては治療法の選択に迷うことが少なくない.大型血管炎治療において問題になる点は,慢性の炎症にともなう全身的所見と,大血管の狭窄性病変,あるいは拡張性病変に伴っておこる各種所見である.特に血管の変形は生命予後に直結するため,治療目標として最も注視すべき所見でもある.しかしながら血管の変形の進行と血液検査から得られる炎症所見の間には乖離がある場合が少なからず存在する.CRP陰性例であっても~10%程度で血管病変の進行があると報告されているが,この場合,治療強化の指標としては画像診断に頼るしかない.特に大動脈炎症候群においては,関節リウマチの関節腫脹のように表にでる炎症所見を身体所見としてとらえられないため,画像診断の重要性は他疾患に比較しても大きい.しかしながら,エコー,CT,MRIなどの画像診断は,撮影時点での血管の形態的変化をとらえることに関しては飛躍的な進歩を遂げたが,それでもなお進行する血管病変を予測するためのツールとしては不十分であり,結局は時間を空けての複数の画像所見から活動性を判断しなくてはいけない場合が少なくない.実際の画像所見をあげて活動性判定における画像所見の問題点を示す.