日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(口演)
O-2 関節リウマチ患者由来の滑膜線維芽細胞における刺激応答機構の解析
土屋 遥香住友 秀次石垣 和慶鈴木 亜香里高地 雄太太田 峰人土田 優美庄田 宏文乾 洋武冨 修治門野 夕峰田中 栄藤尾 圭志山本 一彦
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2017 年 40 巻 4 号 p. 296b

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抄録

【目的】関節リウマチ(RA)由来の滑膜線維芽細胞(FLS)は,関節内の炎症環境により修飾され,骨・軟骨破壊を中心とするRAの病態形成に重要な役割を担う.本研究では, RA-FLSの特徴的な形質を形成する分子機構の解析を目的とした.【方法】RA-FLS(n = 30)を,各種サイトカイン(TNF-α・IL-1β・IL-6/sIL-6R・IFN-γ・IFN-α・TGF-β1)および関節内のサイトカインの混在をシミュレートとした全サイトカインのコンビネーション(6-combi)で刺激した.刺激後24時間における遺伝子発現を,RNA-seqにより網羅的に解析した.【結果】IL-6をはじめとしたRAの病態に関わる重要な分子は,6-combi刺激下において,単独サイトカイン刺激と比較して著明に発現が亢進し,またその影響は遷延していた.我々は,weighted gene co-expression network analysisを用いて6-combi刺激下で特徴的に変動する遺伝子群を解析し,ハブ遺伝子として抽出された遺伝子Gene Xに着目した.Gene Xを化合物により阻害することで,RA-FLSのIL-6発現や増殖能・遊走能・浸潤能が用量依存性に抑制された.また,関節炎モデルマウスを用いた治療実験では,Gene X阻害薬投与群において関節炎の増悪が有意に抑制された.【結論】Gene X阻害は,FLSを標的としたRAの新規治療になり得る.今後,ゲノム・エピゲノム情報を統合することで,RA-FLSの転写制御を中心とした分化経路の詳細が明らかとなることが期待される.

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© 2017 日本臨床免疫学会
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