2017 年 40 巻 4 号 p. 303b
【背景】関節リウマチ(RA)の骨破壊には破骨細胞(OC)の活性化が関わる.OCの前駆細胞はマクロファージと考えられているが,樹状細胞(DC)がRANKLとM-CSFによりOC様の多核細胞(DCOC)へ分化することも近年知られている.溶骨能に加え抗原提示能を持つDCOCがRAの局所の炎症性骨破壊病態へ関与していると推察されるが,それを示す報告はない.【目的】DCOCの滑膜炎への関与をCIAマウスにより検討する.【方法】DBA1マウスにウシ2型コラーゲンとアジュバントを3週毎に2回投与しCIAを発症させた.骨髄細胞からM-CSFとRANKLで分化させた破骨細胞(BMOC)と,GM-CSFとIL-4で分化させたDCにM-CSFとRANKLを添加して分化させたDCOCを,TRAP染色により比較した.培養系にTNF-αとIL-6を添加し,BMOCとDCOCの分化への影響を検討した.【結果】BMOCは健常マウスで平均870個/well,CIAマウスで平均696個/wellであり有意に後者で少なかった(P = 0.03).一方,DCOCは健常マウスで平均1243個/well,CIAマウスで平均1051個/wellであり有意差はなかった(P = 0.12).この培養系にTNFαとIL-6を添加すると,BMOCは健常マウスで平均861個/well,CIAマウスで平均687個/wellで有意差はない(P = 0.17)一方,DCOCでは健常マウス206個/well,CIAマウス554個/wellと後者で多い傾向にあった.【結論】炎症性サイトカイン存在下では健常マウスに比しCIAマウスでのDCOCの分化がよい傾向にあり,DCOCの滑膜炎病態への関与が推察された.