日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター) 1 神経疾患
P1-31 嚥下障害・構音障害のみを呈し診断に時間を要した筋サルコイドーシスの84歳女性例
池口 亮太郎西村 綾子吉弘 仁鈴木 美紀小林 正樹堀場 恵吉澤 浩志飯嶋 睦清水 優子三枝 英人北川 一夫
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2017 年 40 巻 4 号 p. 305c

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抄録

  症例は84歳,女性.2014年12月,飲み込みにくさ,湿性咳嗽・喀痰の増加を自覚.その後も飲み込みにくさは悪化した.2016年7月,水を飲むと鼻からでるようになり,食思不振のため体重が半年で10 kg減少した.同年10月,当院呼吸器内科に入院.同時期より鼻声も出現した.誤嚥性肺炎を合併し,経管栄養が開始された.精査のため当科へ転科となった.神経学的所見として構音障害・嚥下障害が認められた.血液検査上,CKや炎症反応の上昇,膠原病・血管炎を示唆する所見はなかった.筋萎縮性側索硬化症,重症筋無力症等が疑われたが,各種検査の結果より合致しなかった.嚥下造影でcricopharyngeal barが認められ,ミオパチーが示唆された.Hooked wired electrodeを用いた針筋電図検査では,輪状咽頭筋のミオパチーを示唆する所見が認められた.嚥下機能改善および診断目的で2017年1月,輪状咽頭筋切開術・筋生検(輪状咽頭筋,大腿四頭筋)を行った.筋生検の結果,輪状咽頭筋に非乾酪性肉芽腫の所見が認められた.ACEは正常であったがリゾチーム・可溶性IL-2受容体が上昇しており,筋サルコイドーシスと診断.経口食事摂取が可能となった.構音障害・嚥下障害のみを呈する筋サルコイドーシスは稀である.本例では嚥下造影およびhooked wired electrodeを用いた針筋電図検査が鑑別に有用であった.また輪状咽頭筋切開術が診断および嚥下障害に対し有用であったため,文献的考察を含め報告する.

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© 2017 日本臨床免疫学会
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