日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター) 2 疾患動物モデルを用いた病態解明2
P2-18 スタチン系製剤は制御性T細胞を抑制し抗腫瘍免疫応答を増強する
坪田 欣也谷口 智憲後藤 浩河上 裕
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2017 年 40 巻 4 号 p. 313b

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抄録

【目的】制御性T細胞(Treg)は免疫抑制に重要な役割を担っており,がん微小環境の免疫抑制解除は既存の免疫療法の効果改善に必須である.脂質異常症の治療薬であるスタチン系製剤が,Treg数の減少やTreg上のCTLA4の発現を抑制することが報告されている.本研究では,スタチン系製剤を用いた腫瘍免疫回避克服法の開発を試みた.【方法と結果】担癌マウスモデルを用いて,スタチン系製剤による抗腫瘍効果と抗腫瘍免疫を評価した.マウスにマウス大腸癌細胞株を皮下移植し,Pitavastatinを連日投与した.コントロール群に比較しPitavastatin投与群で有意に腫瘍の増殖が抑制され,腫瘍内の腫瘍抗原特異的なCD8陽性T細胞の誘導評価をIFN-γ産生assayで評価した結果,Pitavastatin投与群で有意にIFN-γの産生量の増加がみられた.Pitavastatin投与群ではTreg数が減少し,Treg上のCTLA4が減少していた.さらにPitavastatinと抗PD1抗体の併用療法は,抗PD1抗体単独療法に比較し,有意に抗腫瘍効果と腫瘍抗原特異的CD8陽性T細胞の誘導を増強した.【考案】スタチン系製剤は担癌状態において,制御性T細胞の数とCTLA4の発現を抑えることで腫瘍抗原特異的な抗腫瘍T細胞の誘導を増強し,腫瘍の増大を抑制する可能性が示唆された.

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© 2017 日本臨床免疫学会
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