日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター) 2 疾患動物モデルを用いた病態解明2
P2-17 紫外線照射による心筋梗塞後の心不全抑制効果の検討
佐々木 直人溝口 泰司Hilman Zulkifli Amin力武 良行山下 智也平田 健一
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2017 年 40 巻 4 号 p. 313a

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抄録

【背景と目的】急性心筋梗塞において適切な心臓カテーテル治療にも関わらず心不全を発症する症例が多く,効果的な治療・予防法の開発が望まれている.近年,心不全の発症・進展において過剰な炎症免疫応答の関与が示唆されている.紫外線(UVB)照射は過剰な免疫応答を抑制することにより,皮膚疾患の病態の改善に有効な治療法として確立されている.UVB照射による心筋梗塞後の心不全抑制効果および機序について検討を行った.【方法と結果】8週齢の野生型マウスの皮膚に適量のUVB照射を行い,10週齢にて冠動脈結紮により心筋梗塞を作成した.28日間の生存率に関して,UVB照射群(n = 50)ではUVB非照射群(n = 48)と比べて有意に改善し,特に心不全による死亡が減少した(生存率:67.3% vs. 44.0%,P < 0.05;心不全死率:12.5% vs. 32.0%,P < 0.05).UVB照射は皮膚所属・縦郭リンパ節において,CCR4を高発現する制御性T細胞(Treg)を増加させた.UVB照射群の梗塞心筋において,Tregに特異的な転写因子Foxp3,抗炎症性M2マクロファージ関連分子,CCR4のリガンドCCL17/CCL22の有意な発現増加を認めた.以上より,UVB照射は障害心筋においてTregおよび抗炎症性マクロファージの誘導により炎症を沈静化し,心不全の病態を改善させることが示唆された.【結論】UVBを用いた炎症・免疫反応の制御は,心筋梗塞後心不全の発症抑制のための魅力的な方法となり得ると期待される.

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© 2017 日本臨床免疫学会
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