日本臨床免疫学会会誌
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催胆汁うっ滞因子の125I-immunoglobulin A胆汁排泄への影響
溝口 靖紘宮島 慶治阪上 吉秀小林 絢三山本 祐夫森沢 成司
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1987 年 10 巻 2 号 p. 161-170

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抄録
結核死菌感作モルモットのリンパ節細胞を精製ツベルクリン(purified protein derivatives, PPD)で刺激すると,催胆汁うっ滞因子(cholestatic factor)が産生される.このリンホカインをSephadex G-75カラムによるゲル濾過およびDEAE-celluloseカラムを用いるクロマトグラフィーで分画すると, 2つの活性分画が得られ,これらの活性分画をラットの腸間膜静脈に注入すると,著明な胆汁排泄の抑制が認められた.この催胆汁うっ滞因子による胆汁排泄機構を研究する一環として,二量体immunoglobulin A (IgA)の胆汁への排泄に催胆汁うっ滞因子がどのような影響を与えるかについて検討した.その結果,催胆汁うっ滞因子はIgAの胆汁への分泌を有意に抑制することが認められた.従って,催胆汁うっ滞因子は肝臓のvesicular transport systemにも影響を及ぼすと推測された.
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