日本臨床免疫学会会誌
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糖尿病における補体の変動
森本 康男谷口 洋山城 有機江尻 一成馬場 茂明有本 保文
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1988 年 11 巻 4 号 p. 364-368

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抄録
糖尿病における補体の変動をみるために,年齢,罹病期間の一致しているインスリン依存型糖尿病(IDDM) 23名,インスリン非依存型糖尿病(NIDDM) 40名,および健常人27名の補体価CH50, ACH50,補体成分C3, C4,補体抑制物質C3bINA, β1Hglおよび活性化の指標としてC3分解産物C3dを測定し,活性化の面を中心として両者を比較検討した.
IDDMおよびNIDDMとも, CH50, C3, C4, C3bINAは健常人に比し有意に増加していたが, IDDMとNIDDMの間には差を認めなかった. β1HglはIDDMおよびNIDDMとも健常人と差がなかった.
IDDMはNIDDM同様高補体を示すが, NIDDMと異なりC3dの増加を認め, IDDMでは補体の活性化が生じていることが示唆された.
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