日本臨床免疫学会会誌
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11 巻, 4 号
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  • 泉 孝英, 長井 苑子, 竹内 実, 清水 義治
    1988 年11 巻4 号 p. 315-321
    発行日: 1988/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
  • 赤澤 晃, 勝沼 俊雄, 飯倉 洋治
    1988 年11 巻4 号 p. 322-328
    発行日: 1988/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    トランスファー・ファクターの抗原特異的細胞性免疫能の転嫁作用と非特異的免疫賦活作用については多くの臨床報告があり,その有効性が認められている.その中で,気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患にも有効例があることがわかってきた.今回われわれは,食餌アレルギーの関与する小児アトピー性皮膚炎児9名と反復性難治性口内炎患児2名に経口的にトランスファー・ファクターを投与したところ,アトピー性皮膚炎例では皮膚症状の著明な改善,特異的IgG抗体の低下,血清IgG, IgAグロブリンの増加と血清IgE-RISTの低下がみられた.反復性口内炎例では,投与開始後臨床症状の速やかな改善が認められた.厳密な対照をおいた検討成績ではないので確言はできないが,このことからトランスファー・ファクターが腸管リンパ組織系や口腔粘膜の炎症部位に直接作用する可能性を示唆するものと考えられた.
  • 鈴木 輝彦, 今井 史彦, 石橋 俊子, 片桐 敏郎, 原 清
    1988 年11 巻4 号 p. 329-336
    発行日: 1988/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    全身性エリテマトーデス(以下SLE)患者末梢血より樹状細胞(以下D cell)を取り出し,その形態ならびに機能について検討した.形態学的には,多数の樹状突起を有し, HLA-DR抗原ならびにC3biレセプターを有していた.一方,表面免疫グロブリン, T3抗原ならびにFcレセプターは陰性であった. D cellを自己のT cellと混合培養したauto MLRは, SLE患者では有意に低値を示した(P<0.01). SLE患者マクロファージおよびB cellは, auto MLRのstimulator能を有していなかった.非自己のT cellと混合培養したallo MLRでは, SLE患者D cellは正常人T cellをも増殖させえなかった.これと逆に,正常人D cellは別の正常人T cellを強く増殖させ, SLE患者T cellを弱く増殖させた.すなわち, SLE患者におけるauto MLRの低下は, responderであるT cellの異常のみに起因するのではなく, auto MLRのstimulatorであるD cellにもその一因があるものと思われた.
  • 渡辺 英章
    1988 年11 巻4 号 p. 337-345
    発行日: 1988/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    腫瘍細胞の抗原性を温存する際に問題となる抗原添加培養リンパ球の抗腫瘍活性の変化について検討した.腫瘍抗原は(1) Mitomycin C (以下MMCと略す), (2) 3M KCl, (3)超音波, (4)凍結乾燥によって腫瘍細胞を処理して用いた. Donryu ratの培養リンパ球では, 3M KCl処理抗原以外の3種の処理抗原の添加で抗腫瘍活性が上昇し,特に凍結乾燥処理抗原の添加で最も高値となった.そこで,この方法をヒトリンパ球と自己癌細胞に対して試み,凍結乾燥自己腫瘍細胞を添加培養した末梢血リンパ球は同じ癌細胞に対して高い抗腫瘍活性を示すことがわかった.さらに, BALB/cマウスとMeth A, MOPC 104Eを用いてcross reactive testを行った結果,添加抗原に特異的な抗腫瘍活性をもつリンパ球が誘導された.以上より,凍結乾燥腫瘍細胞は,添加抗原として培養リンパ球に特異的な抗腫瘍活性の誘導が可能であることが示された.
  • 池脇 信直
    1988 年11 巻4 号 p. 346-356
    発行日: 1988/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    Burkitt lymphomaであるRaji細胞をエチルメタンスルフォン酸400μg/mlで処理し, 6-thioguanine(以下6-TG)1×10-4Mで選別することで6-TG耐性細胞株, Raji 6-TGR細胞を得た.つぎに, pSV2 neo DNAをliposomes-mediated gene transfer techniqueを用いてRaji 6-TGR細胞に導入し,ネオマイシン誘導体(G418)で選別することでneo耐性マーカーを発現した細胞株Raji 6-TGR-neoR細胞を樹立した.この細胞株は細胞表面にIgを発現せず,また,培養上清中にIgを全く分泌しないことがELISA法によって明らかになった.さらに, HAT培地(hypoxanthine: 1×10-4M, aminopterin: 2×10-8~1×10-7M, thymidine: 1.6×10-5M)に対して感受性を示し, hypoxanthine-guanine phosphoribosyl transferase(以下HGPRT)酵素を欠損していることがわかった.すなわち, Raji 6-TGR-neoR細胞はヒトB細胞ハイブリドーマを作製するための親細胞として利用できることが示唆された.そこでRaji 6-TGR-neoR細胞を親細胞にして, PWM刺激または未刺激ヒト末梢血単核球からヒツジ赤血球ロゼット形成法によって分離されたB細胞およびB細胞株(CESS細胞)とをポリエチレングリコール法で融合を行い,新しい選択法(G418加HAT培地; HAT-neo選別)で選別することでヒトB細胞ハイブリドーマの作製を試みた. 1ヵ月後,それぞれの実験群におけるハイブリドーマの出現率を算定したところ, B細胞(2%), PWM刺激B細胞(5%), CESS細胞(11%)の出現率を示した.また,特にPWM刺激B細胞の実験群から得られたハイブリドーマについてHLAクラスII抗原および染色体数を検討したところ,得られたハイブリッドクローンは両細胞の特性を有したハイブリドーマであることが明らかになった.以上,本実験からRaji 6-TGR-neoR細胞は新しい選択法(HAT-neo選別)によるハイブリドーマ選別が可能な興味ある親細胞であることがわかった.
  • 山根 伸吾, 若杉 和倫, 延藤 卓生, 東 仲宣, 佐々木 正明, 鈴木 満
    1988 年11 巻4 号 p. 357-363
    発行日: 1988/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    慢性血液透析療法中の患者末梢血単核球のIFN-γに対する反応を,培養上清,細胞β2-m量を細胞活性指標として検討した.
    その結果,
    1) 培養上清中のspontaneousなβ2-m産生量は,健康成人と透析患者群では差異は認められなかった.
    2) IFN-γ 100JRU/ml添加96時間培養では,血清β2-m値60mg/l以上の患者群でβ2-m産生量の有意な低下(p<0.05)を認めた.
    3) 細胞β2-m増加率は健康成人に比較して血清β2-m 60mg/l濃度以上の群において若干の低下傾向を認めた.
    4) 精製β2-mのβ2-m産生能に対する影響を精製β2-m 20, 100mg/lの濃度にて健康成人末梢血単核球を2時間前処理し検討したが,産生量の増減は認められなかった.
    5) 培養上清中のIL-1β, IL-2をRIA, ELISA法にて測定したが測定感度以下であった.
    以上より,透析患者群,特に血清β2-m値60mgl以上の群ではIFN-γに対する末梢血単核球の反応性低下が認められ,細胞性免疫系の低下が示唆された.
  • 森本 康男, 谷口 洋, 山城 有機, 江尻 一成, 馬場 茂明, 有本 保文
    1988 年11 巻4 号 p. 364-368
    発行日: 1988/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    糖尿病における補体の変動をみるために,年齢,罹病期間の一致しているインスリン依存型糖尿病(IDDM) 23名,インスリン非依存型糖尿病(NIDDM) 40名,および健常人27名の補体価CH50, ACH50,補体成分C3, C4,補体抑制物質C3bINA, β1Hglおよび活性化の指標としてC3分解産物C3dを測定し,活性化の面を中心として両者を比較検討した.
    IDDMおよびNIDDMとも, CH50, C3, C4, C3bINAは健常人に比し有意に増加していたが, IDDMとNIDDMの間には差を認めなかった. β1HglはIDDMおよびNIDDMとも健常人と差がなかった.
    IDDMはNIDDM同様高補体を示すが, NIDDMと異なりC3dの増加を認め, IDDMでは補体の活性化が生じていることが示唆された.
  • 柳川 悦朗, 峠 哲哉, 亀田 彰, 沢村 明広, 藤田 毅, 山口 佳之, 国延 浩史, 家護谷 泰秀, 馬場 信年, 服部 孝雄
    1988 年11 巻4 号 p. 369-376
    発行日: 1988/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    胃がん,食道がん患者脾細胞(SC)のnatural killer (NK)細胞活性とinterleukin-2 (IL-2), α-interferon (IFN), OK-432による増強,およびリンパ球幼若反応に対する非特異的サプレッサー細胞(Ts)活性とを,末梢血(PBL),脾静脈血リンパ球(SVL)と対比して検討した.病期の進行とともにPBLのNK細胞活性は低下し, Ts活性が有意となる傾向を示し,進行例のSVL, SCの多くはTs活性が陽性であり,高いNK細胞活性を示したものの多くはTs活性が陽性であった. IL-2, IFN, OK-432によって,がん患者PBL, SVLのNK細胞活性は,正常者PBLとほぼ同程度に増強されたが, SCではIL-2, OK-432で有意に増強され, IFNによる増強は軽度であった. Ts活性が陰性のPBL, SVL, SCのNK細胞活性は,これらのbiological response modifiers (BRM)によって高頻度に増強されたが, Ts活性が陽性である場合,有意に増強される例は少ない傾向がみられ,流血中のみならず脾においても,非特異的なサプレッサー細胞はBRMによるNK細胞活性の増強にある程度の影響を及ぼしている可能性が示唆された.
  • 溝口 靖紘, 阪上 吉秀, 関 守一, 小林 絢三, 山本 祐夫, 森沢 成司
    1988 年11 巻4 号 p. 377-383
    発行日: 1988/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    Propionibacterium acnes (P. acnes)加熱死菌をマウスの静脈内に注入し, 7日後に少量の内毒素lipopolysaccharide (LPS)を静注すると,肝に広範な壊死が誘導される.この急性肝不全実験モデルを用いて,肝障害時のトリプトファン(TRP)代謝の産物を検討した.その結果,急性肝不全を誘導したマウスにおいては,血中のインドール酢酸(IAA)レベルが血清トランスアミナーゼの上昇に先がけて上昇し,そのピークも,トランスアミナーゼのピークより21時間前に認められた.また,マウスから分離した肝細胞にTRPを負荷し,同時に活性化肝粘着性細胞から産生されるcytotoxic factorを加えて培養すると,肝細胞内のIAA量が著明に増加した.
    以上の結果から,肝細胞障害時にはTRP代謝の主要経路によるキヌレニンからニコチン酸アミドへの変化が阻害され,代償的にTRPからトリプタミンさらにIAAへの経路が促進される可能性が示唆された.
  • 斉ノ内 良平, 寺田 信国, 細谷 雄治, 堀沢 昌弘, 大槻 鉄郎, 福谷 明直, 小玉 正智
    1988 年11 巻4 号 p. 384-391
    発行日: 1988/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    一般に,免疫療法の効果判定のために用いられる実験腫瘍は高免疫原性腫瘍が多いのに対し,ヒト癌は非免疫原性腫瘍が多いといわれている.したがって,高免疫原性腫瘍を用いた実験で効果が得られても,臨床においてはその効果が一致しない可能性がある.そこで,高免疫原性および非免疫原性の実験腫瘍を用い, LAK養子免疫療法(LAK療法)の効果を比較し,非免疫原性腫瘍でもLAK療法が有効かどうかを検討した.マウスの脾細胞より誘導したLAK細胞の抗腫瘍効果について, in vitroおよびin vivo assayで検討した.高免疫原性腫瘍に対しては,インターロイキン2により腫瘍に対する特異的免疫能が増強される.非免疫原性腫瘍に対しては,腫瘍特異的な免疫能は増強されないが,その代わり非特異的免疫能の増強がin vitroおよびin vivoの両方の実験で観察され, LAK療法が非免疫原性腫瘍に対しても有効であることが証明された.
  • 西原 利治, 岩崎 信二, 松本 京子, 栄枝 弘司, 前田 隆, 宮崎 正子, 大西 三朗, 伊藤 憲一, 円山 英昭
    1988 年11 巻4 号 p. 392-398
    発行日: 1988/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    Recombinat Interleukin 2 (rIL-2)投与により血中α-fetoprotein値の著明な抑制効果が認められた. HBe抗原陽性肝硬変に合併した肝細胞癌の1例を報告する. rIL-2は連続7日間, 500U/日(1.5×105 NCI unit)を5%ブドウ糖液250mlに溶解し,約60分かけて点滴静注した.血中AFP値は第1回投与の14時間後,すでに明らかな低下を示し,投与中止後も10日間低値が持続し,投与中止3週後に前値に復した.第2回投与によっても再度低下を示し,投与中止後5日間低値が持続し,投与中止1週後には前値に復した. rIL-2投与によるAFP低下の機序としては,その効果発現が極めて速やかな点より, IFNで検討されたような肝細胞癌への直接作用が想定され,投与前低下の認められたLAK活性がrIL-2投与により正常値に復したことから, AFPの低値持続には生体の免疫系を介した機序の関与も想定された.
  • 大野 雅子, 佐藤 由起夫, 橋本 長吉, 渡辺 一雄, 西間木 友衛, 森藤 隆夫, 粕川 禮司, 丸本 達也
    1988 年11 巻4 号 p. 399-403
    発行日: 1988/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    血漿交換療法とステロイドパルス療法の併用療法が奏効した悪性眼球突出症の1例を報告する.患者は56歳男性,抗甲状腺剤により甲状腺機能は正常化したが,眼球突出,著明な視力低下(0.01)が出現,球後視神経炎を伴う悪性眼球突出症として,ステロイド剤の球後注射と経口投与(prednisolone最大100mg/日)を受けた.しかし,改善傾向がみられなかったため,血漿交換療法(4回/2週)とパルス療法(methylprednisolone 3,000mg/3日)の併用療法を施行したところ,著明な視力回復(0.8)と眼球突出の改善(17→15mm)があり, CT像でも外眼筋肥厚の消失が認められた.血清学的パラメーターでは,抗TSHレセプター抗体は64.5%から10%以下に低下し,血清IgGも420mg/dlから780mg/dlに回復, OKT4/OKT8比も上昇した.以上の結果から,血漿交換療法とパルス療法による免疫異常の是正により,外眼筋の肥厚が消失し,視力が回復したものと推定された.
  • 古橋 悦子, 富井 正邦, 松岡 康夫, 入交 昭一郎, 岸本 宏志, 福田 純也
    1988 年11 巻4 号 p. 404-410
    発行日: 1988/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    昭和43年,全身性エリテマトーデスと診断された38歳の男性が発熱を主訴として61年4月当院に入院した.入院時,著明な貧血が認められ,溶血性貧血および葉酸欠乏性貧血の合併と診断された.プレドニソロン,葉酸の経口投与により貧血は著明に改善したが, 61年7月頃より急に黄疸出現.肝機能も悪化し,プレドニソロン投与により一旦は改善したが, 62年に至り,総ビリルビン値が30~53mg/dlとなった.種々治療を行ったが,肝障害の改善なく,最終的に肝不全のため2月に死亡した.
    剖検で肝臓には,胆汁うっ滞を肝細胞,クッパー細胞で認め,グ氏鞘周囲の線維化があり,一次性胆汁うっ滞性肝線維症と診断された.腎臓には巣状分節性増殖性ループス腎炎および黄疸腎,心臓には陳旧性Libman-Sacks心内膜炎を認めた.
    重篤な肝病変を伴うSLEはまれであり,その病因を考えるうえで重要と思われ報告した.
  • ヒトアジュバント病の男性例
    金子 弥生, 杢野 千穂, 谷口 修, 松本 孝夫, 小林 茂人, 熊谷 安夫, 若林 芳久, 橋本 博史, 廣瀬 俊一
    1988 年11 巻4 号 p. 411-416
    発行日: 1988/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    1955年頃陰茎内に異物を注入し,その30年後に頸椎の運動制限,両肩の関節痛などを主訴に来院,両膝関節の疼痛および腫脹,骨破壊を伴うRAの定型的X線像,関節液中の低ムチン,リウマトイド因子陰性などから, seronegative RAと診断された49歳の男性例.注入局所および鼠径リンパ節の組織像は異物肉芽腫の所見を示し,異物は化学的にパラフィンと同定された.陰嚢水腫根治術時に異物を除去したが,症状にはほとんど影響がなかった.その4ヵ月後に左頸部腫瘤が出現し,悪性リンパ腫diffuse large cell type (non-cleaved)と診断され,放射線照射および化学療法で臨床症状は軽快した.今日まで,ヒトアジュバント病として報告された症例に,男性例は皆無で, seronegative RAを発症した症例もない.さらに,悪性リンパ腫を併発したことを含め,興味深い症例と考えられたので,文献的考察を加え報告した.
  • 伊藤 揚荘, 小川 博遊, 山内 康平, 恒松 徳五郎, 原田 孝之
    1988 年11 巻4 号 p. 417-421
    発行日: 1988/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    著者らは,約20年の経過で食道病変が進行し,食道潰瘍から大動脈へ瘻痕孔を形成し,大量吐血により死亡した進行性全身性硬化症の1例を経験したので報告する.症例は, 71歳の女性で約20年前からレイノー現象と四肢遠位の皮膚硬化とがあり,徐々に嚥下障害が進行した.食事摂取不能と上腹部痛とを主訴として入院した.入院後,突然,背部痛に続きショック状態となり,大量吐血にて死亡した.剖検では下部食道の著明な拡張を認め,噴門より約2.5cm上方に3.5cm×2.5cmのだ円形の潰瘍があり,その中央部に米粒大の瘻孔があり大動脈と交通していた.食道潰瘍から大動脈への瘻孔形成は稀であり,本症例においては進行性全身性硬化症による粘膜下組織の線維化,筋層の萎縮が誘因と考えられた.
  • 松井 英, 吉村 了勇, 岡 隆宏
    1988 年11 巻4 号 p. 422-425
    発行日: 1988/08/31
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    To assess the immunochemical characters of suppressor factor from human decidual cells (DC), serum free culture supernatants of DC were analyzed by high performance liquid chromatography (HPLC). Early pregnant decidual tissue was dispersed into a single cell by enzyme digestion using collagenase and DNase, and purified by Percoll® discontinuous density gradient method to avoid contamination of mononuclear lymphocytes and macrophages. 3×106/ml of DC were cultured in RPMI 1640 medium without fetal calf serum (FCS) for 48 hours at 37°C, and supernatants were harvested. The suppressor activity of culture supernatants were assessed by mixed lymphocyte reaction (MLR). Thirty two percent suppression was obtained by the addition of culture supernatants (50% volume) to MLR. To purify the suppressor factors in the supernatants, serum free culture supernatants were applied to gel filtration (HPLC) and the suppressor activity of each fraction was assessed by MLR. Fraction (Fr) 25 (between MW 43, 000 and 67, 000) displayed remarkable immunosuppressive activity, namely 46% inhibition in MLR. These results clearly demonstrated that DC secreted suppressor factor molecular weight of which was between 43, 000 and 67, 000, thereby protecting the fetus from maternal immunity.
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