日本臨床免疫学会会誌
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Nocardia rubra cell wall skeleton (N-CWS)による好中球抗腫瘍活性の増強
山村 義治加藤 治樹谷川 真理井上 衛佐野 統金 龍起杉野 成近藤 元治
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1990 年 13 巻 1 号 p. 57-64

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抄録

OK-432およびNocardia rubs cell wall skeleton (N-CWS)のマウス腹腔内(i. p.)投与により誘導された好中球の抗腫瘍活性を51Cr releasing assayにより検討した.マウスはC3H/He〓8~10週齢, target cellとしてMM 46を用いた. OK-432およびN-CWS誘導好中球は,それ単独ではコントロール(カゼイン誘導好中球)と比較しても抗腫瘍活性は得られなかった. OK-432誘導好中球とN-CWS誘導好中球にin vitroでさらにOK-432, N-CWSを添加した場合,好中球誘導がいずれであってもN-CWSを添加したときに, 80%以上のcytolysisが得られたが, OK-432の添加では,このような効果はみられなかった.このN-CWS添加による抗腫瘍活性増強効果は, E/T比0.7から50までに認められ, N-CWS濃度10μg/mlから100μg/mlまでにみられた.これらの結果より, OK-432の腹腔内投与により誘導された好中球の抗腫瘍活性が, N-CWSの併用により増強されることが示唆された.

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