日本臨床免疫学会会誌
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慢性関節リウマチ患者に対する白血球除去フィルターを用いたリンパ球除去療法の評価
二重膜濾過血漿交換療法との比較
藤田 新
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1990 年 13 巻 3 号 p. 268-276

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抄録
慢性関節リウマチ(以下RA)患者5例に対してリンパ球除去療法(以下LCP)を施行し,その効果について検討するとともに, 12例のRA患者に対して施行した二重膜濾過血漿交換療法(以下DFPP)の効果と比較検討した. LCPは新しい白血球除去フィルターを用いて行った. LCPおよびDFPPは1ヵ月間に4回施行して1クールとし,施行前,施行1週, 4週, 8週後にそれぞれ臨床症状,臨床検査成績について検討した. LCPでは1回で3×109個のリンパ球を除去でき, 1クール施行後臨床症状の改善とともにLeu-3 a/Leu-2 a比の低下を認め,症状改善との関連が示唆された. DFPPでは, 1クール施行後臨床症状の改善とともに補体価(CH 50)の低下を認めたがリンパ球サブセットの変動は認めず, LCPとDFPPの症状改善に対する機序の違いが示唆された.また, LCPでは長期間の効果が期待できると考えられた.
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