日本臨床免疫学会会誌
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血清ならびにリンパ球培養上清中のinterleukin 6活性が高値であったimmunoblastic lymphadenopathy (IBL)類似の臨床症状を示した薬剤アレルギーの1例
前田 征洋高後 裕辻 靖馬原 克夫後藤 義朗伊藤 克礼高橋 稔渡辺 直樹新津 洋司郎塚本 泰司成松 英明
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1991 年 14 巻 2 号 p. 224-231

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抄録
血清中にinterleukin 6(IL-6)活性を認めたimmunoblastic lymphadenopathy (IBL)類似薬剤アレルギーの1例を報告する.症例は, 43歳男性で,解熱鎮痛剤服用後に発熱,全身リンパ節腫脹,皮疹,肝脾腫が出現した.また,著明な溶血性貧血,血小板減少,多クローン性高γ-グロブリン血症,各種自己抗体の陽性化,細胞性免疫能の低下など, IBLと同様の検査所見を呈した.しかし,摘出リンパ節の病理像は,反応性リンパ節炎の所見であり,また,薬剤のリンパ球刺激試験が強陽性を示したことから, IBL類似の臨床症状を呈した薬剤アレルギーと診断した.病態解析のため行った血清および摘出リンパ節培養上清中のIL-6活性測定では通常,血清中に検出されないIL-6活性が認められ,さらに培養上清中でも高値を示し,病態を考えるうえで興味深い症例と考えられた.
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