日本臨床免疫学会会誌
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慢性関節リウマチ,シェーグレン症候群に合併した封入体筋炎の1例
丸山 俊昭福田 哲也立石 睦人窪田 哲朗奥田 正治佐藤 和人宮坂 信之
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1992 年 15 巻 4 号 p. 397-404

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抄録

慢性関節リウマチ,シェーグレン症候群に合併した封入体筋炎の1例を報告する.症例は53歳男性. 51歳時,筋力低下にて入院.近位筋群の筋力低下と筋原性酵素値の上昇,筋生検にて著明な炎症細胞浸潤を伴う筋原性変化を認め,慢性関節リウマチとシェーグレン症候群に合併した多発性筋炎と診断. prednisolone (PSL) 40mg/日投与し,筋力は回復,筋原性酵素も正常化した.しかし, PSLを10mg/日に漸減した頃(10ヵ月後)より, CPKの上昇と筋力低下,筋萎縮の進行を認め, cyclophosphamide 50mg/日投与したが改善せず, 2回目の入院となった.近位筋群に加え,遠位筋群にも筋力低下と筋萎縮が明らかで,再度,筋生検を施行したところ, rimmed vacuoleが目立ち,電顕にてfilamentous inclusionを認め,封入体筋炎の確定診断が得られた.自己免疫疾患に封入体筋炎が合併したとする報告は少なく,免疫組織学的所見と併せて報告する.

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