抄録
死に至った重症型のvirus-associated hemophagocytic syndrome (VAHS)の2症例を経験した.
1例目はEpstein-Barr (EB)ウイルスが,また2例目は麻疹ウイルスが, VAHSの発症に関与したウイルスと考えられ,前者は諸臓器におけるEBウイルスのゲノムの検出により,後者は肺生検による病理所見とウイルス分離により診断に至った.本2症例は原因となったウイルスは異なるものの,似通った臨床経過を呈し,本疾患に有効とされている治療にもまったく反応しなかった.
VAHSの中には無治療で軽快する軽症型もあるが,本例のように死の転帰をとる重症型も存在しており,この疾患の免疫学的機序の解明および治療法の確立が早急に必要であると考えられる.