日本臨床外科学会雑誌
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症例
Conversion surgeryを行った遠隔転移と左腎浸潤を伴う膵癌の1例
渡部 和玄原 義明本間 崇志結城 啓介成田 和広網木 学
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2025 年 86 巻 8 号 p. 1089-1094

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抄録

症例は74歳の男性で,傍大動脈リンパ節腫大と肝転移を有し,胃・脾臓・左腎に浸潤する切除不能膵尾部癌に対して,gemcitabine+nab-paclitaxel療法(以下,GnP療法と略記)を開始した.3カ月後に肝転移・傍大動脈リンパ節転移は消失したため,10カ月後にconversion surgeryの方針とした.術前の分腎機能評価で左腎摘後の予測腎機能は十分と判断し,膵体尾部切除,胃部分切除,脾臓摘出,左腎臓摘出術を施行した.術中造影エコーでも肝転移は完全に消失しており,肝切除は行わなかった.退院後,半年間GnP療法を継続し,術後2年時点で無再発生存中である.傍大動脈リンパ節転移・肝転移の両方が存在した点,術前に腎機能評価を行った上で左腎を合併切除し,術後もGnP療法を継続できた点は既存の報告に類を見ない点であり,ここに報告する.

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