理学療法学Supplement
Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: 120
会議情報

神経系理学療法
くも膜下出血患者におけるADLと転帰に関する検討
*石田 善裕伊東 彰妻鹿 容子打川 真理子原 佳孝藤本 隆伸三善 あかね春日 うつぎ丹羽 昭博山崎 倫子梁原 佑子安達 亜紀中川 芳美関崎 正代高橋 紳一
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
【はじめに】第39回日本理学療法学術大会でくも膜下出血(以下SAH)患者のGlasgow Coma Scale(以下GCS)と機能的自立度評価法(以下FIM)の関連性について検討を行い、FIM認知項目(以下cFIM)が転帰に影響を及ぼしているという推測を行なった。今回、当院退院後の経過別に自宅退院群(以下H群)、発症後120日未満で自宅退院した一時転院群(以下I群)、発症後120日以上で自宅退院したか転院継続している群(以下T群)の3群に分け、車椅子駆動開始時(以下駆動時)の段階で退院時cFIM得点と退院時日数との間に関連性があるか検討した。また、導き出された推測値が予後予測に役立つかを比較・検討した。
【対象】平成14年8月~15年12月に入院したSAH患者58例(男19,女39)で、年齢は62.1±11.6歳であった。重症度は国際脳神経外科学会連合分類でgrade1:10,2:20,3:6,4:11,5:11例であった。H群28例、在院日数は44.4±16.5日、I群13例、在院日数53.3±16.4日、T群17例、在院日数93.1±25.6日であった。
【方法】全58例の退院時cFIMと退院時日数を目的変数とし、車椅子座位開始時(以下座位時)日数、座位時GCS、駆動時日数、駆動時cFIMを説明変数として重回帰分析を行ったところ、それぞれに関しての理論値が得られたので、この二項目を用いて判別分析を行った。さらにH、I、T群の間で退院時cFIMと退院時日数に独立性があるかを多重比較検定にて検討した。
【結果】重回帰分析を行った結果、退院時cFIMではy=-0.15x1+1.33x2-0.22x3+0.25x4+13.98、退院時日数ではy=0.92x1-1.39x2+0.61x3-0.58x4+54.82という重回帰式を得た。多重比較検定では退院時cFIMにおいて各群間に有意差が認められたが、退院時日数に関してはH群とI群の間には有意差が認められなかった。そこでI群とT群間での判別分析を行った。判別的中率は90%で線形判別関数はz=-0.017x+0.52y-8.4であった。z>0の時にI群、z<0ではT群と判別された。
【考察】重回帰式を用いることで退院時cFIMと退院時日数の理論値を導き出すことができた。I群とT群間での判別が可能であったため、駆動時で120日後の予後予測が可能と考えられた。当院では手術的治療や術後検査が終了すれば自宅退院する事を原則としている。I群に関しては軽度の意識障害残存や家族支援が不足している事により、環境整備等の目的で一時転院となっている。一時転院をしても早期に自宅退院しているので、H群とI群の間に有意差が認められなかったと思われる。
著者関連情報
© 2005 日本理学療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top