日本臨床免疫学会会誌
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肺に好酸球の浸潤を認めた好酸球性筋膜炎の1例
神谷 康司中林 公正有村 義宏鈴木 道彦簑島 忍長沢 俊彦
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1994 年 17 巻 1 号 p. 66-71

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抄録
肺内に好酸球の浸潤を認めた好酸球性筋膜炎(EF)の1例を経験した.症例は23歳,女性.急性上気道炎症状後に両上下肢の腫脹,疼痛を認めた.末梢血好酸球増多,筋膜生検で筋膜の肥厚と単核球および好酸球の浸潤を認め, EFと診断した.胸部X線は軽度の網粒状影を認めるのみで,呼吸機能検査では異常所見を認めなかったが,経気管支肺生検(TBLB)にて肺胞中隔・肺胞内に著明な好酸球の浸潤を認めた.ステロイド内服にて軽快した. EFは肺障害などの内臓病変を示さないとされているが,今までに肺障害について詳細に検討された症例の報告は少ない.本例は, EFでも肺内好酸球浸潤を認める可能性を示唆する貴重な症例と思われた.
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