日本臨床免疫学会会誌
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シェーグレン症候群,レイノー現象,抗セントロメア抗体陽性を呈したC7欠損症の1例
長谷川 尚三浦 義明中野 正明荒川 正昭
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1994 年 17 巻 1 号 p. 72-76

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抄録
シェーグレン症候群,レイノー現象,抗セントロメア抗体陽性を呈したC7補体欠損症を報告した.
症例は54歳,女性.昭和55年,レイノー現象を認め, 61年,口渇,目の乾きが出現した.検査の結果,乾燥性角結膜炎,白血球減少,抗核抗体陽性,抗セントロメア抗体陽性,抗DNA抗体軽度上昇,血清補体価の著しい低下が認められた.抗セントロメア抗体陽性と血清補体価低値は持続した.その後,補体蛋白の精査により, C7欠損症が判明した.
これまで, C7欠損症に発症したリウマチ性疾患としては, SLE 2例,慢性関節リウマチ1例,強直性脊椎炎1例, CREST症候群1例が報告されているにすぎない.本例において,レイノー現象,シェーグレン症候群,抗セントロメア抗体の出現とC7欠損との関連は明らかではないが,このような症例の蓄積が必要であると考えられた.
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