1984 年 7 巻 2 号 p. 107-110
Luciferin-luciferase惹起生物発光を用い,細胞内ATP量を測定することにより,ヒト単核球のレクチンに対する反応性を評価した.細胞数とATP量は直線関係にあり,その再現性は高かった.レクチン刺激単核球のATP量は培養後,経時的に増加し,培養後48時間では,レクチン非刺激群に比べ有意に高かった.さらに興味あることに, Mitomycin C処理,レクチン刺激群では,そのATP量は著明に増加てたが,レクチン非刺激群ではATP量の増加は認められなかった.以上の事実は,細胞内ATP量を測定することにより,放射性同位元素を用いることなく単核球のレクチン反応性を評価することが可能であり,さらに,レクチン刺激後早期の変化を評価することも可能であるということを示唆している.