日本臨床免疫学会会誌
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ヒト肺癌細胞由来の癌胎児性抗原の分離精製に関する研究
相良 憲幸
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1984 年 7 巻 2 号 p. 97-106

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抄録

1965年のGoldらの報告以来, CEAの分離,精製が多くの研究者により報告されている.
しかし臓器特異性を示すCEAの報告はなくまたCEAの癌特異性に関しても疑問視する報告も少なくないが,今井ら45)は腫瘍特異性CEAの存在を報告している.
著者らは,肺癌細胞由来のCEA活性物質の分離・精製を行い,その免疫化学的性質に関する検討を行った.
その結果, HLC-1細胞由来CEA (HLC-1 (CEA))は,免疫組織学的手法,および免疫拡散法にては,大腸癌由来CEAとの間に差異を見出せなかったが,分子量27万dalton, pIが4.4と現在まで報告されたものとの間に若干の相違を示した.
HLC-1(CEA)は, pH3CEAやCEA-Sと同様にCEAのsub-fractionである可能性が示された.

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