日本臨床免疫学会会誌
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ビタミンE経口投与の細胞性免疫能と腫瘍増殖に及ぼす影響
加藤 治樹金 龍起谷川 真理上田 正博近藤 依子吉川 敏一杉野 成近藤 元治
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1986 年 9 巻 2 号 p. 74-80

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抄録
ビタミンE (VE)の非特異的免疫反応に及ぼす影響と腫瘍抑制効果との関係を, VEを経口投与することによってとくにVE低下状態の場合と比較検討した.雄のCDF1マウスを3群に分け, VE欠乏食,コントロール食あるいはVE過剰を4週齢より投与開始し,観察期間中継続した.それぞれの群の血清VE値を経時的に測定すると, VE欠乏食群では投与開始から6週間以後に測定の限界以下に低下したが, VE過剰食群ではコントロール食群の1.5-2.4倍で14週間後まで推移した,脾細胞を用いたConAに対するin vitroリンパ球幼若化反応は, 3群間に差はみられなかった.PHAおよびLPSに対する反応では, VE欠乏食群でコントロール食群に比べて低下(p<0.01)がみられたが, VE過剰食群とコントロール食群との間には差がなかった. VEの腫瘍への影響については,食餌開始後9週目(12週齢)に1×105個/匹のMeth Aを各群マウスの足蹠に皮下移植した, VE欠乏食群とVE過剰食群の腫瘍はともにコントロール食群に比べて増大(p<0.01)したが, VE欠乏食群とVE過剰食群間には差はみられなかった.しかし,生存日数はVE欠乏食群がコントロール食群に比べて短縮(p<0.05)したが, VE過剰食群とコントロール食群間には差はなかった.このことから, VE低下状態は担癌生体に対して悪影響を及ぼす傾向が認められたが,逆にVE過剰食投与によっても担癌状態の改善はみられなかった.
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