2018 年 1 巻 2 号 p. 124-128
79歳男。非結核性抗酸菌症に対しエタンブトール, クラリスロマイシンの2剤で加療中に呼吸器症状が悪化し, シタフロキサシン内服が追加された。同薬剤開始から約1ヵ月後に屋外で作業を行った翌日に顔面, 前頸部, 手背に瘙痒を伴う紅斑が出現した。シタフロキサシンの内服照射試験でUVAのMRD (minimal response dose) 1.5J/cm2以下と短縮が認められ, 自験例をシタフロキサシンによる光線過敏型薬疹と診断した。日焼け様紅斑であり, すみやかに消退したことから発症機序として光毒性反応を推察したが, 内服照射試験で少量のUVA照射で紅斑が誘発されたことから, 光アレルギー反応により生じた可能性も否定できなかった。