日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌
Online ISSN : 2433-7854
Print ISSN : 2433-7846
症例
リパスジル塩酸塩水和物 (グラナテック®) 点眼液による接触皮膚炎の1例
乙竹 泰佐藤 麻起森下 恵理河野 真純中村 和子蒲原 毅
著者情報
ジャーナル 認証あり

2018 年 1 巻 3 号 p. 207-212

詳細
抄録

 74歳, 男性。緑内障に対して複数の点眼薬を使用中に眼圧の上昇が認められ, 1年前からリパスジル塩酸塩水和物 (グラナテック®) 点眼液の使用が開始されていた。下眼瞼優位に両側上下眼瞼の紅斑, 腫脹および内眼角から鼻唇溝にかけて流れるような紅斑が認められ, 当科紹介となった。使用中の5種類の点眼薬についてパッチテスト, およびスクラッチパッチテストを施行したところ, リパスジル塩酸塩水和物点眼液のみでパッチテストおよびスクラッチパッチテストが陽性となり, 同点眼液による接触皮膚炎と診断した。同点眼液の使用を中止後, 皮疹はすみやかに軽快した。リパスジル塩酸塩水和物点眼液の成分に対するパッチテスト, スクラッチパッチテストでは, 主成分であるリパスジル塩酸塩が陽性となり, 原因物質と特定した。

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本皮膚免疫アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top