ドライスキンの管理では保湿外用剤の使用, 皮膚の恒常性に配慮した洗浄など, 日常的なスキンケアが重要である。時代の流れとともに, 入浴の作法や皮膚の洗浄方法は変貌し, 乾燥肌をもつ患者のスキンケア手法も変化しつつある。その実態を明らかにすることで, 時代背景に則したスキンケア方法の提案が可能になると考えた。われわれは皮膚科を受診したドライスキンを有する患者を対象に, 洗浄, 入浴, 保湿外用剤に関するアンケートを行い, 石鹸・洗浄剤の選択や使用方法, 洗浄の際に用いる道具, 入浴習慣, 保湿外用剤の使用方法の傾向に関する集計を行った。その結果, 比較的多くの患者が, 洗浄剤を泡立てずに手で直接皮膚に塗って用いているなどの実態が判明した。今回の調査では比較対照群の設定がないため, これらの結果がドライスキンを伴う患者に特異的な実態とはいえないが, 適切な皮膚洗浄方法の指導内容に示唆を与えると期待される。