抄録
本研究では小学生期女児レスリング選手の体力・運動能力の発
達特性を明らかにすることを目的とした。対象者は小学生期女児
レスリング選手延べ87名であった。測定項目は身長、体重、体
脂肪率、一般的な体力・運動能力として20m走、立ち幅跳び、
反復横跳び、リバウンドジャンプ指数、レスリング競技の専門的
要素を含んだ運動能力としてタックルジャンプとした。アロメトリー式
“y= bxa”を得るために、身長に従って分類した測定値を両対数
グラフにプロットした。変移点を算出した結果、立ち幅跳び、反
復横跳びは身長約115cmで変移点を認めた。リバウンドジャンプ
指数は身長約131cm、タックルジャンプは約127cmで変移点が認
められた。体力・運動能力は身長発育とともに増加した。主な知
見は以下のとおりである。
1.前方への瞬発力と方向転換能力の発達は相似である。
2. タックル動作の発達は、思春期ピークを迎える直前まで継続し
て特に発達する。