トレーニング指導
Online ISSN : 2434-3307
Print ISSN : 2433-6742
5 巻, 1 号
トレーニング指導 第5巻第1号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
原著研究論文
  • 光岡 かおり, 友金 明香
    2022 年 5 巻 1 号 p. 3-9
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/06
    ジャーナル フリー
    本研究は、女性の中長距離選手7名(R群)と非競技選手7名 (N群)を対象に、エルゴメータによる運動負荷試験(CPX)を 実施し、両者における全身持久性体力と局所の骨格筋酸素動態 の相違を明らかにすることを目的とした。我々はCPXの終了基準 を一定のペダル回転数以下とし、骨格筋の酸素飽和度を測定す るため右外側広筋に近赤外分光法装置のプローブを装着した。 最高酸素摂取量(VO2 peak)、最高負荷、運動時間はR群がN 群より有意に大きく、運動後再酸素化時間(Tr)はR群がN群よ り有意に短かった。また14名のVO2peakとTrには有意な負の相関 (r=-0.59)が認められた。本研究では、中長距離選手は全身 持久性体力がより高く、また局所骨格筋の酸素供給を反映する Trがより短かった。本運動形態では、全身持久性体力と局所の 酸素供給は関連していることが示唆された。
  • 仲 立貴, 島 典広, 菅野 昌明
    2022 年 5 巻 1 号 p. 10-24
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/07
    ジャーナル フリー
    【目的】女子陸上短距離選手の上肢のプレス・プルの筋力とパ ワーの特徴を検討し、レジスタンストレーニングのプログラムデザイ ンに必要な知見を得る。【方法】大学女子陸上短距離選手19名 を対象とし、日本学生選手権に出場した全国選手群8名と非出場 の地区選手群11名に分け分析した。上肢プレスはベンチプレス で行い、上肢プル(ベンチプル)は、ベンチに伏臥位で構えた 姿勢からバーベルがベンチ裏面に接触するまで引き上げた。そ れぞれの最大挙上重量(1RM)、および5kg単位で負荷を荷重 させた条件で平均パワーをLinear Position Transducerを用いて測 定した。【結果】プレスパワーは、25kgを除く10kg, 15kg, 20kg, 30kg, 35kgで全国選手群が地区選手群より有意に高値を示した。 プルパワーはいずれの負荷条件においても両群に有意な差は認 められなかった。いずれの1RMも両群に有意な差は認められな かった。100m走疾走タイムとプルパワー、ベンチプレスおよびベン チプルの1RMとの間には有意な相関関係が認められなかったもの の(r = 0.567, 0.452, 0.357, p = 0.06, 0.13, 0.25)、プレスパワーと の間に有意な負の相関関係が認められた(r = 0.712, p = 0.01)。 【結論】競技レベルの高い女子陸上短距離選手の上肢の特徴 は、筋力ではなくパワーの優位性であることが示された。
  • 菅野 昌明, 仲 立貴, 都築 祐衣, 平尾 栞理, 島 典広
    2022 年 5 巻 1 号 p. 34-40
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/13
    ジャーナル フリー
    チアダンス競技における指導者の主観的な評価(ジャンプパ フォーマンス)を基準として、競技特異的ジャンプ能力に関する 客観的な指標を明らかにすることを目的とした。  3名のチアダンス指導者に主観的な評価を依頼し、評価順位 の中央値で上位群と下位群の2 群に分けた。そして、Sチアダン スクラブに所属する女性チアダンス選手19名(13.6±1.5歳)を対 象とし、競技特異的ジャンプ能力(スプリットジャンプ:SJ、トウタッ チジャンプ:TTJ、スイッチリープ:SL)を比較した。  SL開脚角度および開脚角速度は、上位群が有意に高値を示 した。また、TTJ開脚角度および開脚角速度では、有意差は認 められなかったが、いずれも上位群で高値を示し効果量が大き かった。  SLやTTJでは、最大跳躍後に最大開脚をできるだけ長く維持 するために、最大開脚角度とそれに到達するまでの時間を短縮 することが、滞空時間が長く感じられ、美しいジャンプに関与す る要因であることが示唆された。
原著実践論文
  • 木村 元彦, 相澤 勝治, 渡辺 英次, 佐藤 満, 三島 隆章
    2022 年 5 巻 1 号 p. 25-33
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/01/13
    ジャーナル フリー
    本研究では小学生期女児レスリング選手の体力・運動能力の発 達特性を明らかにすることを目的とした。対象者は小学生期女児 レスリング選手延べ87名であった。測定項目は身長、体重、体 脂肪率、一般的な体力・運動能力として20m走、立ち幅跳び、 反復横跳び、リバウンドジャンプ指数、レスリング競技の専門的 要素を含んだ運動能力としてタックルジャンプとした。アロメトリー式 “y= bxa”を得るために、身長に従って分類した測定値を両対数 グラフにプロットした。変移点を算出した結果、立ち幅跳び、反 復横跳びは身長約115cmで変移点を認めた。リバウンドジャンプ 指数は身長約131cm、タックルジャンプは約127cmで変移点が認 められた。体力・運動能力は身長発育とともに増加した。主な知 見は以下のとおりである。 1.前方への瞬発力と方向転換能力の発達は相似である。 2. タックル動作の発達は、思春期ピークを迎える直前まで継続し て特に発達する。
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