抄録
チアダンス競技における指導者の主観的な評価(ジャンプパ
フォーマンス)を基準として、競技特異的ジャンプ能力に関する
客観的な指標を明らかにすることを目的とした。
3名のチアダンス指導者に主観的な評価を依頼し、評価順位
の中央値で上位群と下位群の2 群に分けた。そして、Sチアダン
スクラブに所属する女性チアダンス選手19名(13.6±1.5歳)を対
象とし、競技特異的ジャンプ能力(スプリットジャンプ:SJ、トウタッ
チジャンプ:TTJ、スイッチリープ:SL)を比較した。
SL開脚角度および開脚角速度は、上位群が有意に高値を示
した。また、TTJ開脚角度および開脚角速度では、有意差は認
められなかったが、いずれも上位群で高値を示し効果量が大き
かった。
SLやTTJでは、最大跳躍後に最大開脚をできるだけ長く維持
するために、最大開脚角度とそれに到達するまでの時間を短縮
することが、滞空時間が長く感じられ、美しいジャンプに関与す
る要因であることが示唆された。