本研究は、スクワット最大挙上重量(1RM)の60%、およ
び70%の負荷で行うジャンプスクワット(JSQ)のエキセントリッ
ク(ECC)速度がコンセントリック(CON)のジャンプパフォーマ
ンスに及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。大学ラグビー
部に所属する選手10名を対象に、スクワット1RMの60%、70%
の負荷を用いてECC速度2秒(ECC2s)とECC主観的最大速度
(ECCmax)の2条件でJSQを無作為に行い、CONの跳躍高、
いずれも平均とピークの速度、パワー、およびフォースを計測した。
その結果、60%1RMではECCmaxはECC2sと比較してCONのピー
ク速度、平均パワー、ピークパワー、平均フォースが有意に高値
を示したが、跳躍高、平均速度、ピークフォースに有意差は認め
られなかった。また、70%1RMではCONの平均速度、平均パワー
が有意に高値を示したが、跳躍高、ピーク速度、ピークパワー、
平均フォース、ピークフォースに有意差は認められなかった。し
かし、ECCの速度に伴うCONのパフォーマンスへの急性効果は
個人差が生じることが明らかになった。また、60%1RM、および
70%1RMにおいてECC速度を高速で行うことができる対象者は、
CONの速度や跳躍高を増加させることができるが、ECC速度が
低速の対象者ではCONの速度や跳躍高を効率的に高めることが
できない可能性が示唆された。
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